毒親育ち㉒

マイライフ

自分達の相性を確認せず、親になる覚悟もないのに親になってしまい、お互いを思いやる事のできない若い二人が安易に結婚して子供をもうけてしまったばっかりに、子供である私と姉は大変な思いをしてきました。

姉は社会人になりたての時に事件がおきたので、本当ギリギリ青春を無駄にする事なく生きてこれました。学生の時は友達とでかけたり、バイト代を稼ぐ事も少なくて済んだ。家もあるし家に帰れば何かしら食べる物はある状態です。教習所代も祖父母に出してもらえ、授業料も一応親が出していました。

社会人になってからも毎日のように友達と出かけていたので、私の生活スタイルとは違いました。そこはちょっと羨ましいな・・・と思います。

けれど姉もお金を親に渡してきましたし、ひどい扱いを受けた事も一緒です。今は私の子供を一緒に可愛がってくれ、子供達を遊びにも連れて行ってくれます。

私が伯母から受けていた対応とは全く違い、可愛くて仕方ないらしいです。

父に対しても文句を言いながらも何かあれば助けに行きますし、入院した時や父が務めている会社にも対応してくれます。我が家もできるだけ迷惑はかけないようにしていますが、本当に人手が足りなくなった時に応援を要求するのですが、快く引き受けてくれます。

本当に有難い存在です。

一方私は全て自分で捻出しないといけない状態だったし、友達とおでかけもあまりできませんでした。短大時代にできた友達は1人で、後はバイト仲間とバイト終わりにご飯に行く、という感じでした。

バイト仲間も普通の家庭の子であったので、自分の境遇を話すという事はできませんでした。私はこの頃からどんどん捻くれ者になっていったように思います。とにかく親が普通な事、お金の心配をしなくていい事が本当に羨ましかったです。

社会人になってからもお給料はそこまで多くはなかったのでバイト時代と変わらず質素に生活していました。

会社には留学経験がある人が多かったのですが、「留学してない人とは価値観が合わない」とか、留学したいけど祖母が気になるから行けない(この子はおばあちゃんに育てられた子だった)と言っている子に対して、「うちもおじいちゃんが反対していたけど、どれだけ留学に行きたいかプレゼンしたよ。やる気の問題!」と言い切る人までいて(この人は両親が健在で何も心配もいらない人)、苦労を知らずに育ったんだな~と言う人が沢山いました。留学の話ばかりする人が何人もいて、とても惨めだった事を覚えています。

私は家庭の事情を言いたいけれど言えないただの捻くれ者みたいな人間になってしまっていて、この頃の自分はとても良い人とは言えなかったなと思います。

とにかく何をするにもお金がかかるのでしたい事はどんどん諦めていきました。今となればこの時期に資格でもとっておけばよかったな後悔していますが・・・

好きな事も諦め欲しい物も我慢し、家に帰ればモンスターな母がいる。楽しく過ごす予定だった青春時代を台無しにされ、今でも思い出すと腸が煮えくり返ってしまします。

そんな私の思いとは裏腹に、父も母も好き勝手に生きてお金もある程度自由に使い、父は親友とちょいちょい旅行や飲みに行っていますし、母は再婚して楽しそうな第二の人生をスタートさせてます。

私達の我慢や苦労に比べるとずいぶんと人生を謳歌しているように見えるのです。

母はよく今の旦那さんを私達にも会わしていました。私はピュアだったのでまさか母とあの人が男女の仲だとは疑っていなかった😭家にもちょくちょく来ていましたが、その人には甲斐甲斐しく味噌汁作ったりしていて、その人には作るんだ・・・と焼きもちとは全く違う苛立ちで苦しかった事を覚えています。

そして、私がお弁当用に買い置きしている冷凍食品などを勝手に食べるので私が怒ると、「もうほんま食べ物の事絡むと怒るわ~」と、的外れの回答が返ってくるので本当に悔しくて悔しくてたまりませんでした。

子供の大事な大事な時間とお金を奪っておきながら、その重大さに気付いていない両親が憎いです。母に2回ほど「一番大事な時期にお金も時間もなかったから、辛かった」と思い切って言った時、母から返ってきた言葉は「今が幸せやからいいやん」でした。もう何も言い返す気力はなくなりました。

とても便利な言葉ですよね。今が幸せなら過去どんな酷い事をされてても文句も言わせてくれない。

母は自分がしてきた事を悪いと思っておらず、自分の方が父に苦しめられてきた可哀想な人だと思っているのです。大変な思いをさせてごめん、お金に苦労させてごめん、そんな言葉はこれからも聞く事はないのだろう・・・と思いました。

人には「幸せやからいいやん」とぶった切るくせに、自分は会えば父にされてきた事への恨み辛みを言ってくるので私も「(再婚して)今が幸せならいいやん」と言ったら、「そうやな」と黙っていました。

心の中で『ざまあみろ!』と思ってしまいました。

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