毒親育ち④

マイライフ

幼稚園に入り、お友達もできて楽しい毎日を過ごしていました。

そんな中、住んでいた場所から1時間ほどの距離に引っ越す事になり、転園する事になりました。

それまでの場所はどちらかというと、下町を感じる地域だったと思います。団地の中でたくさんの友達と時間を合わせるでもなく遊ぶ事ができたり、顔見知りのおばちゃんもいたりと、アラフォーの今思い出してもとても楽しかった思い出ばかりです。

引っ越し先は閑静な住宅地で、幼稚園ながら少し雰囲気が違うなーと感じました。高級住宅地まではいかないけれど、環境の良いと言われる地域だったので、母の性格を考えるとすごい住みにくかっただろうなと思います。

転校をした事がある人は分かるかもしれませんが、その学校やクラスにより、ウェルカムだったり疎外感を感じたり様々ですよね。この幼稚園での転校は疎外感だったように思います。

そして家に帰った後も遊べる友達が0になったのは、とてもとても寂しかったです。この頃から私の性格は消極的になっていったように思います。またこの引っ越しを境に、母の怖さも増したように思いました。

大人になり、なぜあの時引っ越したのかを聞くと、実は団地の〇〇さんにいじめられてたから居づらくなったと言っていました。私は『うん、嫌われるの分かる!』と思ったのでした。(ちなみにですが、母は気前がいいですし、他人に対してはいじめみたいな事はしないようなので、好かれる傾向にあります。不思議!!がさつな下町のおばちゃん!って感じなので、私と姉とは本当に気が合いません。)

 

引っ越ししてから少し経った頃、同じマンションに同じ年の女の子が住んでいたので、いつしかお友達?になりました。母同士も仲良くなり私たちも家の行き来をよくするようになりました。(このお友達をAちゃんとします)

Aちゃんのおばちゃんはしつけに厳しい印象でしたが、私たちには優しく接してくれていました。うちは母を筆頭に、母の姉である叔母・祖母もすごいクセの強い大人だったので、いつしか自然と大人の観察をしていたように思います。

話は逸れますが、クセ強ランキングだと、祖母・叔母が同率で、母がまだマシに感じるのでびっくりです。きっと最強クセ強は祖母だったのでしょう。『そんな人が育てたらクセ強が育つわ~』と大人になり納得した事を覚えています。母もとてもこの二人に苦しんでいたようで、よく衝突しているのを見てきました。今は二人とも亡くなっているので、母は少しだけ心穏やかに過ごせているのではないでしょうか。

話は戻り、小さいながらに自然と大人のクセ強を感じる事ができていたので、Aちゃんのおばちゃんは厳しいけれど、優しいので好きでした。しかしAちゃんは少しキツイ子だったのです。

大人の前ではいい子ちゃんのAちゃんは私には手厳しく、初めてそんな子に出会った私は『あれー?なぜ普通の会話ができないのだろう?』そんな違和感を感じていたと思います。普通に会話しているけど、すぐ否定してくる感じ分かりますでしょうか?とにかくキツイ子という感じでした。

一度、私が大事にしていたコアラのぬいぐるみが持っていた葉っぱが取れて、うちの家の中に落ちていた事があったのですが、Aちゃんはそれを拾って返してくれませんでした。何度も返して返してとお願いしたのですが、全く聞いてくれず、その光景を母も見ていて、「Aちゃん、それは大事にしているぬいぐるみのやつだから返してあげて」と言ってくれたのですが、Aちゃんは「私が見つけて拾ったものだから私のものだ(Aちゃんはこの時仰向けに寝っ転がり偉そうにしていた。謎の光景だった。)」と持って帰ってしまいました。

母はこの事をAちゃんのおばちゃんには言わず、その時、私は納得できないまま葉っぱを諦めることになったのです。

そして数カ月たった頃だったと思いますが、Aちゃんの机の中に葉っぱを見つけたので、思い切って「返してほしい」と伝えたところ、すんなりと返してくれたのでした。(最初から返してくれ!)

その後もAちゃんとは二人で遊んだりしていました。相変わらずキツイ物言いでしたが、3.4年生の頃にはAちゃんも丸くなっていたので、仲良くなれていたと思います。

そんな中、今度はAちゃんが引っ越しをする事になりました。せっかく仲良くなれていたお友達が引っ越しするのは、とても寂しかったのを覚えています。

Aちゃん達が引っ越しして2年ほどたった頃、母が話してくれました。

「実はAちゃんのおばちゃんは再婚したのでAちゃんとおじちゃんは血が繋がっていなかったんだよ」と。小学生の私はその事を聞いてもふーん、て感じで特にびっくりする事はなかったです。 

それから時がたち大人になり、改めて母とAちゃんの話になった時、「あの時、Aちゃんちは再婚したての状況だったのでAちゃんは不安定だったのだろうと。そんな状況だったから、ぬいぐるみ事件も私にキツクあたっている事も見逃していた」と言っていました。

母は、そんな気遣いもできる私!みたいな感じで言っていました。すごく謎なのですが、母は自分の事を優しいと思っているらしく、ちょくちょく「〇〇(←苗字です)さんは優しいな、と言われるねん!」と報告してきます。

「どこがじゃ~~~!!!!」と、浜ちゃんばりのツッコミを入れたくなりますが、めんどくさくなるのでいつもグッと我慢しています😂

Aちゃんとの思い出を思い返すと、そういえばAちゃんちにお邪魔した時、おばちゃんとおじちゃんは私からみてもラブラブな雰囲気だったので、すごいなー!と思った事がありました。(うちの両親は全く仲良くなかったので、お友達の両親が仲良しだとすごく不思議に感じていたのです。)

2人の時間を過ごしたい・・・?のか、その時も「公園へ行ってきなさい!」と言われたので、二人で公園に行きました。しばらく公園で遊んでマンション下まで戻ってきたのですが、Aちゃんはマンションの中に入ろうとはせず、自転車置き場にあった自転車に乗り始めました。

私はAちゃんに何度も帰ろうと伝えましたが、なかなか動かないのです。何度目かの時にAちゃんが、「一人で帰って」と少し怒ったように言ってきたので、私はその通り一人家に帰りました。

その出来事が不思議だったので、私は今でもその時の光景を思い出す事ができるのですが、Aちゃんは楽しいからそこにいるという感じではなく、どこか帰りたくないような・・・そんな雰囲気がしていたのです。

その時たしか小学校1.2年だったと思います。Aちゃんは両親のラブラブな光景をもっともっと目の当たりにしていたと思いますし、ママを取られたという気持ちにもなっていたのではないかと思います。複雑な気持ちを、6.7歳の子供が一生懸命抱えていたのかと考えると、勝手にですが、そんな当時のAちゃんを抱きしめてあげたい気持ちになりました。

そんな状況を知っていた母だったから、母の対応は多少仕方なかったのかなと思います。きっと私もAちゃんに寄り添ってしまうと思います。

けれど私の気持ちを蔑ろにしていい理由にはならないと思います。母の対応は、AちゃんやAちゃんのおばちゃんからは感謝されるかもしれませんが、当時の私の気持ちを考えると、もう少し私にも寄り添った対応をしてほしかったなと思ったのです。

タイトルとURLをコピーしました